キャンプ道具を数字で比べる

テントの耐水圧の目安は何mm?楽天の売れ筋99張の数字で比べる【2026年】

公開 2026-10-03

先に答えを書きます。

  • 売れ筋のテントで耐水圧を書いているものの真ん中は 2,000mm でした。半分は 1,500〜3,000mm に入ります。
  • 数字は 1,500・2,000・3,000mm の3つに集まっています。耐水圧を書いている53張のうち40張(75%)がこのどれかです。
  • 値段が上がっても耐水圧は上がりません。値段の帯ごとの真ん中は1,800〜2,500mmで、高いテントほど高いわけではありませんでした。
  • 雨で中が濡れるとき、生地の数字より先に疑う所があります。縫い目・床・結露です。耐水圧は生地を試した数字で、縫い目は含みません。

耐水圧とは:生地の裏に水が出てくる水の高さ

測り方(JIS L 1092)

耐水圧は、生地の片側から水で圧力をかけて、反対側に水がにじみ出たときの圧力です。日本の試験方法は JIS L 1092(繊維製品の防水性試験方法)です。大阪産業技術研究所の解説では、生地の下から水圧を決まった速さで上げていき、上の面に水滴が出た水圧を「耐水度」と呼んでいます。

テントの「1,800mm」は、高さ1.8mの水の柱が生地を押す圧力に耐えたという意味です。圧力に直すと約17.7kPaです(水の高さ1mmで約9.8Pa)。

雨の「mm」とは別のもの

天気予報の「1時間に30mm」は、降った雨の量です。耐水圧の「mm」は、生地を押す水の圧力です。同じ mm でも比べられません。

気象庁は1時間の雨の量で雨の強さを分けています。

1時間の雨の量 気象庁の言い方 人の受けるイメージ
10〜20mm やや強い雨 ザーザーと降る
20〜30mm 強い雨 どしゃ降り
30〜50mm 激しい雨 バケツをひっくり返したように降る
50〜80mm 非常に激しい雨 滝のように降る
80mm以上 猛烈な雨 息苦しくなるような圧迫感がある

「耐水圧1,500mmは強い雨まで」といった対応の表をよく見かけます。ただ耐水圧と雨の量を結びつける公的な基準はありません。この記事では、その対応は書きません。かわりに、売れているテントが実際に何mmと書いているかを数えます。

「ミニマム」と書くメーカー・書かないメーカー

スノーピークはテントの耐水圧を「1,800mmミニマム」のように書いています。ミニマムは最低値という意味で、少なくともこの数字はあるという書き方です。

楽天の売れ筋で耐水圧を書いている53張のうち、「ミニマム」「最低」「以上」と書いているのは16張(30%)でした。残りの37張は、最低値なのか、測った値の平均なのかが書かれていません。同じ2,000mmでも、書き方で意味が変わることがあります。

売れ筋99張の耐水圧を数えた

楽天市場のテントのデイリーランキング(2026年10月3日)には157の商品が載っていました。この中には防水スプレーやポール・横幕・インナーテント単体などの付属品が18点、日よけやイベント用のタープテント・シェードが40点入っています。これを除いた99張を「テント」として、商品名と説明文から耐水圧を拾いました。屋根の生地(フライシート)と床の両方が書いてあるものは、屋根の数字を使っています。

耐水圧を書いているのは半分

99張のうち、耐水圧を書いていたのは53張(54%)です。残りの46張は、商品名にも説明文にも耐水圧の数字がありませんでした。書いていないから弱いとは言えませんが、比べる材料が無いことになります。

真ん中は2,000mm

耐水圧 張数 割合
1,000mm未満 5 9%
1,000〜1,499mm 5 9%
1,500〜1,999mm 14 26%
2,000〜2,999mm 14 26%
3,000〜4,999mm 14 26%
5,000mm以上 1 2%
合計 53 100%

値段が上がっても耐水圧は上がらない

値段 張数 耐水圧を書いている 耐水圧の真ん中
1万円未満 47 20 2,000mm
1万〜3万円 28 17 1,800mm
3万〜6万円 16 10 2,500mm
6万円以上 8 6 1,900mm

値段の帯ごとの真ん中は1,800〜2,500mmで、値段に沿って上がってはいません。どの帯も数が少ないので、差の大きさより「上がっていない」ことを読んでください。

高い数字はテントより日よけに多い

商品名に「ワンタッチ」「ポップアップ」とあるテントは38張(38%)でした。耐水圧を書いていたのは17張で、真ん中は1,500mmです。テント全体の真ん中(2,000mm)より低い数字でした。

5,000mm以上と書いていたテントは1張だけです。生地を黒く塗った「完全遮光」のワンタッチテントで、「最大で10,000mm超」という書き方でした。日よけやイベント用のタープテント・シェード40点では、5,000mm以上が3点あり、どれも完全遮光の日よけでした(10,000〜16,000mm)。日よけの膜の数字と、雨の日に泊まるテントの数字は、同じ耐水圧でも使う場面が違います。

TC(ポリコットン)は数字が低いか書いていない

TC・ポリコットンなど、綿の入った生地と書かれたテントは11張でした(TCはポリエステルと綿を混ぜた生地)。そのうち耐水圧を書いていたのは5張で、数字は350〜700mmでした。綿の入った生地は、ポリエステルに防水の膜を塗った生地とは作りが違います。TCのテントを耐水圧の数字だけで比べると、ポリエステルのテントより弱く見えます。TCの雨への強さは別の記事で書きます。

1,500・2,000・3,000mmのどれを選ぶか

1,500mm:売れ筋の下の端

耐水圧を書いている売れ筋のうち、1,500mmより下は10張(19%)でした。そのうち5張はTCのテントです。TC以外の48張に限ると、1,500mmより下は5張(10%)だけでした。1,500mmは、数字を書いているテントの中では低い方の端です。

2,000mm:売れ筋の真ん中

2,000mmちょうどは14張で、3,000mmちょうど(14張)と並んで一番多い数字です。真ん中の値も2,000mmです。迷ったときに「売れ筋と同じくらい」と言えるのはこの数字です。

3,000mm以上:4張に1張

3,000mm以上は15張(28%)でした。値段の高いテントほど多いわけではありません。6万円以上で耐水圧を書いていた6張の真ん中は1,900mmでした。高い数字が高い品質を表すとは限りません。

床の耐水圧は別に見る

床は、上から雨を受ける屋根とは違う力を受けます。体重のかかった所が濡れた地面に押しつけられるからです。

計算の例を出します。体重60kgが10cm四方にかかると、押す力は水の高さに直して約6,000mmになります(60kg÷100cm²=0.6kg/cm²。水の高さ1mで0.1kg/cm²)。屋根の生地と同じ2,000mmの床では、数字の上では足りない場面があります。

ところが売れ筋99張のうち、床の耐水圧を屋根と分けて書いていたのは10張(10%)でした。床の数字が分からないときは、グランドシート(床の下に敷くシート)を重ねて床を守る方法があります。

耐水圧より先に濡れる所

耐水圧は生地から切り出した試験片で測る数字です。テントの形になったときの縫い目やファスナーは、この数字に入っていません。

縫い目(シームテープ)

生地を縫い合わせた所には針の穴があります。そこをふさぐのがシームテープ(縫い目の裏に貼る防水のテープ)です。売れ筋99張で、説明文にシームテープや縫い目の処理を書いていたのは5張(5%)でした。買う前に確かめられるテントは少ないので、商品の写真で縫い目の裏にテープが見えるかを見るのが近道です。

ファスナーと出入り口

ファスナーは生地ではないので耐水圧がありません。出入り口の上にひさしがあるか、ファスナーにかぶせる布(フラップ)があるかで、雨の入り方が変わります。

結露は雨もりに見える

テントの中の水分が冷えた生地の内側で水滴になるのが結露です。朝に内側が濡れていても、外から雨が通ったとは限りません。結露は中の空気の水分が原因なので、耐水圧の数字とは別の話です。結露の原因と減らし方は別の記事で書きます。

運営者のテントを表に置くと:アメニティドームM

運営者の手元にあるテントは、スノーピークのアメニティドームM アイボリー(品番 SDE-001-IV-US)です。スノーピークの公式オンラインストアの表記では、米国だけで売られていた色を日本でも売るようになったものです。いまは新型のアメニティドーム2・3が出ていて、このMは旧型にあたります(新型との違いはアメニティドームの新型と旧型の記事)。

項目 公表値
フライシート 75D難燃性ポリエステルタフタ・PUコーティング
耐水圧 1,800mmミニマム
加工 撥水加工・UVカット加工
重さ 8kg
収容人数 3〜5名
収納サイズ 74×22×25(h)cm

1,800mmは、売れ筋で耐水圧を書いている53張の真ん中(2,000mm)より少し下です。1,800mm以上は31張(58%)あります。数字だけを並べると、このテントは売れ筋よりやや低く見えます。

ただし書き方が違います。スノーピークの1,800mmは「ミニマム」(最低値)で、売れ筋の37張は最低値かどうかを書いていません。数字の大きさだけでなく、何を書いているかで比べる必要があります。

今シーズン3回張って分かったこと

運営者はこのテントを今シーズン3回張りました。

販売ページで耐水圧を確かめる順番

テントを選ぶとき、販売ページで次の順に見ると、数字の意味を取り違えにくくなります。

  1. 耐水圧が書いてあるか。 売れ筋でも半分近く(46張)は書いていません。書いていないときは、メーカーの公式ページを探します
  2. 屋根と床の数字が分かれているか。 1つしか無いときは、屋根の数字だと考えるのが無難です。床の数字が分からないなら、グランドシートを足す前提で選びます
  3. 「ミニマム」「以上」と書いてあるか。 最低値かどうかで、同じ数字でも重みが変わります。売れ筋で書いていたのは30%でした
  4. 縫い目の処理が書いてあるか。 シームテープの記載は売れ筋の5%だけです。写真で縫い目の裏にテープが見えるかを見ます
  5. 生地の種類。 TC・ポリコットンなら耐水圧の数字は低く出るので、ポリエステルのテントと数字だけで比べません

数字が1,500mm以上あるかは最後に見るくらいで足ります。耐水圧を書いている売れ筋の81%が1,500mm以上で、下回るものの半分はTCのテントだからです。

よくある質問

耐水圧2,000mmあれば大雨でも大丈夫?

生地の数字としては、売れ筋の真ん中です(耐水圧を書いている53張の中央値)。大雨で中が濡れたときは、生地より先に縫い目・ファスナー・床・結露を疑ってください。耐水圧は生地を試した数字で、縫い目やファスナーは含みません。

耐水圧5,000mmや10,000mmのテントは何が違う?

生地がより強い水圧に耐えるという数字です。売れ筋のテントで5,000mm以上と書いていたのは1張だけで、「最大で10,000mm超」という書き方でした。日よけ用のシェードには10,000〜16,000mmと書くものがあります。最低値(ミニマム)か最大値かでも意味が変わるので、高い数字が品質の高さを表しているとは限りません。縫い目と床の処理も一緒に確かめてください。

TC(ポリコットン)のテントは雨に弱い?

耐水圧の数字は低く出ます。売れ筋のTCテント11張のうち耐水圧を書いていたのは5張で、350〜700mmでした。ただ生地の作りがポリエステルとは違うので、数字だけで雨への強さは比べられません。

床の耐水圧はどれくらいあればいい?

体重がかかる床は、屋根より強い力で地面の水に押しつけられます。計算の例では、体重60kgが10cm四方にかかると水の高さで約6,000mm分の力です。床の耐水圧を分けて書いているテントは売れ筋の10%だけなので、書いていない場合はグランドシートを敷くと安心です。

避難のときに使うテントにも耐水圧は要る?

屋根の下(体育館など)で使う間仕切り用のテントは雨を受けないので、耐水圧は要りません。屋外で使うならキャンプと同じで、売れ筋の真ん中の2,000mm前後が一つの目安になります。

まとめ

調べ方と出典

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